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自衛隊、福島第1原発で懸命の作業…政府後手で危険増幅の中
自衛隊は17日、ヘリコプターから、福島第1原発への「水投下作戦」を決行。現場では、被害の拡大を防ごうと懸命の作業が続いた。一方で、米政府は同原発から半径50カイリ(約93キロ)圏内への米兵の立ち入りを原則として禁じていると明らかにした。また、在日米大使館は米国民に80キロ圏内からの避難を勧告した。

 政府の甘い予測が危険性を増幅させた。震災翌日の12日。自衛隊と在日米軍は早い段階で官邸に「できることはなんでもする」と打診。だが、回答は「警察と消防で対応する」。防衛省関係者は「野党の批判を恐れたのか」といぶかった。

 12日早朝には、菅首相は野党時代からの「現場主義」を貫き、福島原発の視察を強行。「水もつぎ足し、格納容器で囲まれている。メルトダウンのような危機的状況にはならないのではないか」。与野党会談で示した菅首相の楽観的な観測はその後の作業の遅れにつながった。菅首相は1号機で水素爆発が発生した翌13日、社民党の福島瑞穂党首に言った。「東電も原子力保安院も楽観的だった。『水素爆発は起きない。大丈夫だ』と聞いていた」―。

 政府と東電の統合対策本部は15日になって自衛隊に出動を要請した。

 「(放射能が)高い濃度のため計算できない状況下、きょうが限度だと判断して決心した」―。北沢俊美防衛相(73)は17日、陸上自衛隊のヘリコプターが水の投下を終えた後の記者会見で厳しい表情で重い決断を下した心情を語った。

 一方、折木良一統合幕僚長は自衛隊としての覚悟を強調する。「『1回目は必ずやるとの強い意志を持って行け』と隊員に指示した」。出動したのは、陸自最大のヘリ部隊・第1ヘリコプター団(千葉県木更津市、7500人所属)。CH47大型輸送ヘリ2機に放射線防護服を着用した10人が乗り込んだ。40分間の限定飛行。約7・5トンの水が入るバケットと呼ばれる容器で2回ずつ3号機を狙った。これまでにない恐怖心はもちろんある。だが、陸自幹部は「万策尽きればホバリング(空中静止)してでもやるしかない」と声を絞り出した。

 水投下に続いて高圧放水車での放水を命じられた警視庁機動隊。隊員は25~41歳の11人で構成され、うち10人には家庭がある。原発敷地内には、指揮を執る幹部(55)や警察庁職員2人もいる。どこまで原子炉建屋に近づけるのか、いつ撤退するのか―。手探り状態での作業に現場では不安が漂った。

 官邸が機能しない中、国家の命運をかけた決死の作業が始まった。
by zubaring | 2011-03-18 13:10 | 気になるニュース
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