このランキングは、同社のサイトで無償提供しているオンラインスパイウェア検索ツール「Spy Audit」で収集したデータに基づいたもの。それによれば、アドウェアでは、単に広告を表示するタイプに代わり、偽のセキュリティソフトが広がっているという。
アドウェアで最も多く検知されたのは、ユーザーの同意なしにインストールされ、Windowsのスタートアップに登録される偽セキュリティソフト「System Doctor 2006」。スキャンを実行すると、実際にPC内に脅威を検出したように動作し、これを駆除するために正規版を購入させるように促す。
また、新たに同社製品の定義ファイルに登録された「AVSystemCare Common Components」は、インターフェイスは同じで名称が異なる偽セキュリティソフトの総称。AVSystemCareのほか、「PCSecuresystems」「AntiWorm2008」「BestsellerAntivirus」など、ユーザーの環境に合わせて異なるソフトがインストールされる。このほか日本語版も存在し、「VirusSeigyo」や「Anchiwamu2008」などがインストールされることもあるという。
ウェブルートでは偽のセキュリティソフトが広まっている背景について、「インストールに対して成果報酬を支払うアフィリエイトマーケティングが導入されている」と指摘。中にはブラウザの脆弱性を利用してトロイの木馬に感染させ、偽のセキュリティソフトをインストールさせようとする悪質なアフィリエイターも存在するとしている。
一方、アフィリエイトを展開する偽セキュリティソフトの開発元は、インストール後に正規版購入のための支払いを促し、これを真に受けたユーザーから金銭をだましとる。ウェブルートでは、これらのソフトを自身でインストールした覚えがない場合は、削除を推奨するとともに、信頼性の高いセキュリティ対策ソフトを導入して、偽のセキュリティソフトの導入を未然に防ぐことを勧めている。