人気ブログランキング | 話題のタグを見る
朝日の「命令違反・撤退」報道、吉田調書とズレ
東京電力福島第一原発事故を巡り、政府の事故調査・検証委員会が吉田昌郎元所長から聴き取った記録(吉田調書)については、朝日新聞が5月20日付朝刊1面で、「所長命令に違反 原発撤退」と報じた。


 この報道を巡り、政府が非公開扱いしていた調書の公開問題が大きくクローズアップされた。

 朝日新聞の記事は調書のほか、東電の内部資料に基づいて構成したとしている。

 吉田氏は「本当は私、2F(福島第二)に行けと言っていないんですよ。福島第一の近辺で、所内にかかわらず、線量が低いようなところに一回退避して次の指示を待てと言ったつもりなんです」と調書で証言している。

 しかし、指示がうまく伝わらず、9割にあたる約650人は福島第二原発に退避する。これについて吉田氏は調書で「2Fに行ってしまいましたと言うんで、しょうがないなと。2Fに着いた後、連絡をして、まず(管理職の)GMクラスは帰ってきてくれ、という話をした」と当惑した思いを語った。この時点では、吉田氏の考えた、第一原発近辺での退避ではなく、見かけ上は命令違反のようにも映る。朝日の報道はここに焦点をあてたものだ。

 問題は、次に続く吉田氏の発言だ。「よく考えれば、(線量の低い)2Fに行った方がはるかに正しいと思ったわけです」。吉田氏は自分の指示通りではなかったにせよ、結果的に部下たちの退避の判断が妥当だったとの認識を示している。

 だが、この部分について朝日新聞は同日の紙面では触れていない。詳報しているネット上の特集ページでは紹介している。朝日新聞は、所員が吉田氏の「待機命令に違反」して第二原発に「撤退」したとして問題視したが、調書からは吉田氏がこれを命令違反ととらえていたことは読み取れない。

by zubaring | 2014-09-01 15:01 | 気になるニュース
<< アキーレタジャパンや!! 免許の更新 >>